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湖水地方とラスキンレース

日本から帰ってきてすぐに義父のメモリアルサービスがあり、主人側の親族がそろって義父を偲ぶ旅に出ました。イギリス北部の湖水地方です。主人や義兄たちがまだ小さい頃から義父は湖水地方へ連れて行っては山歩きを楽しんでいたのです。イギリスの人々は、今から50年以上も前にウェインライトという人が書いた挿絵入りの湖水地方ウォーキングガイドブックをたよりに、湖水地方の山々を歩きます。私はそんなに得意でないので、簡単なウォーキングのみ参加。それでも、マイナスイオンを満喫できました。
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イギリスの湖水地方は、詩人のワーズワースやピーターラビットでおなじみの絵本作家ビアトリクス・ポターなどで有名ですが、私にとって湖水地方といえば、もちろんラスキンレース。19世紀の思想家、美術評論家のジョン・ラスキンにちなんでラスキンレースまたはラスキンリネンワークとも呼ばれるこの刺繍は、ドロンワークとニードルレースを組み合わせたような技法です。
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角のデザインをボタンホールステッチで刺しはじめたところ。フォーサイドステッチの角部分はすべてのデザインをかがり終わってからスカラップ模様に飾るのが伝統的です。引き抜いた織り糸が邪魔になるので、しつけ糸で仮止めしてあります。

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ラスキンレースは、丸い刺繍枠を使うのではなく、レザークロスとよばれる硬い当て布を二つ折りや四つ折にしながらステッチします。上の写真でフォーサイドステッチの中にもバックステッチが見えたのは、このレザークロスに縫い付けていたため。

独学でラスキンレースに挑戦していたころは、手持ちのリネンで、糸はパールコットンなどを使っていましたが、Ruskin MuseumBrantwoodでラスキンレースの実物を見たり、以前この湖水地方でラスキンレースのワークショップに参加してからは、やっぱり伝統的な材料が一番風合いがよく、しっくりくるなあと、感じています。リネンはGlenshee Linenと呼ばれるもの。糸は麻糸。針はシャープの6番または5番、そしてニードルレース用にタペストリー針24番または22番を使います。
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ファインホワイトワークのような繊細さはありませんが、この素朴な感じ、そしてデザインの組み合わせが無限であるところに、何とも言えない魅力を感じます。

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by kewstitchclub | 2012-04-16 07:54 | white work