ファインホワイトワーク・ドロンワーク編
さて、今日の記事は、ずっと以前に書くつもりにしていたファインホワイトワークの記録のつづきです。今日はドロンワークについて。
ロンドンのランドマークのデザインの中で、ビッグベンの部分にドロンワークを、と計画していました。まずは、フレームにピンッと張り詰めていたリネンを緩めます。ハサミを入れやすくしたところで最初のカット。こればかりは、何度やっても緊張する瞬間です。
今回のリネンは65ctととても目が細かいので、拡大鏡がないとやっていられません。また毛羽立ちがひどく、苦労しました。織り糸を抜いていくのは刺繡の裏側から。そうするとトレイリングのギリギリでカットすることが可能です。
織り糸を抜き終わりました。視力の良いかたは、もうお気づきでしょう。下から4分の1ぐらいのあたりで、横の織り糸を間違ってカットしてしまい、ちょっと穴があいているような感じではありませんか。昔の私なら、大騒ぎでしたでしょうが、実は今までに何度も織り糸を間違ってカットしたことがあるので、今回は「ああ、またやってしまったわ」ぐらいで平静を保つことができました。
織り糸を間違ってカットしてしまった場合、潔くその部分は全てカットしてしまい、新しい糸を使って修正します。できれば抜いた糸で修正するのが一番いいのですが、このファインホワイトワークのリネンの糸は修正に使えそうになかったので、レース糸の80番(極細です!)で修正することに。その際に気をつけることは、織りのパターンをよく見て、糸が上に来るのか下に来るのかをいちいち確認することです。
いったん緩めたリネンを、またピンッと張りなおして、かがりを始めました。織り糸を修正した部分、まったく何事もなかったかのように、元通りになってくれています。
かがり終わりました。今回のかがりは、ビッグベンの直線的なイメージを前面に出したかったので、シンプルにチェーンステッチでかがる部分とプレーンなかがりの部分を組み合わせたデザインにしました。
今日はここまで。次回は上の写真でちらっと映っているロンドンアイのカットワークについて記事を書きたいと思います。
下のバナーをクリックしていただけると、とっても励みになります。応援よろしくお願いします。
にほんブログ村
by kewstitchclub | 2013-09-28 19:01 | white work