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王立刺繍学校のアップリケ課題

ブログの更新がずっと滞っていました。ごめんなさい。

今日から何回かに分けて王立刺繍学校の課題であったアップリケの作品について備忘録を兼ねて記事を書いていきたいと思います。

まず、この課題について、正直に告白すると、私はあまり乗り気ではなかったのです。アップリケの技法が、刺繍をしていくうえですごーく大切なのは重々承知してるつもりですが、私のなかでは、どういうわけか「アップリケは刺繍ではない」という気持ちがどこかにあって、ディプロマコースの必須課題であるにもかかわらず、ずっとずっと後回しにしてきました。

王立刺繍学校のほかの課題でもそうなんですが、このアップリケにもブリーフと呼ばれる細かい指示が与えられます。目標とするところは、アップリケの技法が生かせるデザインをおこし、そしていろいろな素材や質感の布、糸、コードなどを適切なところで使いながら作品を作り上げること。

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ずいぶん悩んだ末に決めたデザインは、イギリスの民話「3匹のくま」にでてくる森の中のくまの家です。もっとコンテンポラリーアートのようなモダンなデザインのものも考えていたのですが、このデザインにしたのは、これまで見てきた英国とヨーロッパの刺繍に、お話を伝えるものがいくつかあり、私もなにかストーリー性のあるものを表現したいと思ったからです。

24インチの角枠いっぱいに縫い付けたカリコ布の上にまずは森のイメージで緑色のBatikの布を。そのうえに木の幹を影のように表現するために黒のチュール地をアップリケしました。

今日ご紹介するのは、屋根裏部屋。窓の部分をリバースアップリケで表現してみたかったのです。
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まずは窓の中となる部分、黒のコットンに「3匹のくま」の英語タイトル「Goldilocks and The Three Bears」をチャコペンシルで書いて別のカリコ布に縫い付けて刺繍の準備。全体的に緑色系と茶色系にさし色を少し、というカラースキームを決めていたので、このタイトルも緑3色のグラデーションにし、25番糸1本どりでステムステッチ。
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この窓の中と外壁となる茶色の厚めの生地を重ねてアップリケし、一番上の生地を窓の形にカット。カットされた端をきれいに処理するためにブランケットステッチを施しました。以前リボン刺繍で寄せ植えに挑戦の記事でご紹介したおもしろい質感の布をプランターに見立てて。実は屋根も同じ布をアップリケしています。屋根や煙突の端の処理にカウチングステッチでとめてあるおもしろい糸は、Les DesignsのCreative Thread Packの中から選びました。
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リボン刺繍でウィンドウボックスに花が咲きました。試作品よりも随分おとなしく仕上がりました。
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ウィンドウシャッターの端はミシンでサテンステッチ風に処理。厚さを出すためにPelmet Vileneという分厚い接着芯のようなものを2枚重ねしています。スタンプワークの技法のワイヤーワークを利用してちょうつがいを作りました。ワイヤーを通すためにボタンホールループを作っています。この木目がプリントされたコットン生地はRSNの近くにあるキルトショップで購入しました。
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シャッターを開けると、こんな感じ。さあ、「3匹のくま」のお話がはじまります。
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次回はこの家のキッチンをご紹介する予定です。

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by kewstitchclub | 2012-06-18 21:45 | applique