Cornelia Parkerのマグナカルタ刺繍
Kew Stitch Clubの作品展の準備に追われる日々ですが、今日の記事は先日ご紹介したCorneliaParkerのマグナカルタ刺繍の作品について。
2014年6月15日の時点でのマグナカルタに関するウィキペディアのページを13メートルにもわたって刺繍したこの作品の制作のお手伝いにRoyalSchool of Needlework(王立刺繍学校)のチームの一員として携わることができて本当に光栄に思います。
英国国立図書館で5月15日から一般公開されるようになってから、少しメディアにも紹介されて、どういうコンセプトでCorneliaParkerがこの作品を制作しようとしたのかがよくわかりました。うまく伝わるようにビデオがオンラインで見られるようになっています。下のリンクをご利用ください。
http://www.bl.uk/events/cornelia-parker-magna-carta-an-embroidery
また、新聞ガーディアン紙にも写真付きで紹介されています。
ガーディアン紙の記事はこちら。
なぜウィキペディアなのか。なぜ200名以上のさまざまなひとたちが制作にかかわったのか。800年も前のマグナカルタが今の法や自由のもととなって、現在の私たちの生活に反映されています。
英国図書館のエントランスホールで展示されている作品はディスプレイに工夫がしてあり、作品の一部は刺繍の表も裏も見られるようになっています。私が刺繍したのは王冠のゴールドワークのほんの一部分ですが、それもよく見えるように展示されていて嬉しく思いました。
壁には制作にかかわった人々の名前が記されていて、その中に私の名前を見つけた時にはとても感慨深いものがありました。囚人のひとたちはファーストネームのみが記載されています。彼らはFreedomという言葉をどんな気持ちでステッチしたのでしょうか。たくさんの名前の中からロシアに逃れているエドワード・スノーデンの名前を見つけました。王立刺繍学校のスタジオでたくさんのピースをつなぎ合わせる作業のお手伝いをしていたとき、ロシアからのピースが届くのを待っていたことを思い出します。そのときはそれがスノーデン氏のステッチしたものだということは知りませんでした。英国図書館に展示された作品に彼がステッチしたlibertyという文字を見たとき、Cornelia Parkerの気持ちが伝わってきて、胸がいっぱいになりました。
'liberty' Stitched by Edward Snowden
この作品は7月24日まで公開されています。英国図書館のエントランスホールで展示されていますので、無料で見ていただけます。ぜひご覧ください。
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by kewstitchclub | 2015-05-21 00:14 | 英国王立刺繍学校